2020年3月19日に開幕する令和初の春の選抜高校野球。
出場校32校は1月24日に決定します。
そこで今回は良くも悪くも毎年注目される21世紀枠の是非について過去の成績を振り返りながら考えたいと思います。
- 1 21世紀枠は必要ない?選考基準は?
- 1.1 21世紀枠の過去の成績一覧
- 1.1.1 2001年 第73回大会
- 1.1.2 2002年 第74回大会
- 1.1.3 2003年 第75回大会
- 1.1.4 2004年 第76回大会
- 1.1.5 2005年 第77回大会
- 1.1.6 2006年 第78回大会
- 1.1.7 2007年 第79回大会
- 1.1.8 2008年 第80回大会
- 1.1.9 2009年 第81回大会
- 1.1.10 2010年 第82回大会
- 1.1.11 2011年 第83回大会
- 1.1.12 2012年 第84回大会
- 1.1.13 2013年 第85回大会
- 1.1.14 2014年 第86回大会
- 1.1.15 2015年 第87回大会
- 1.1.16 2016年 第88回大会
- 1.1.17 2017年 第89回大会
- 1.1.18 2018年 第90回大会
- 1.1.19 2019年 第91回大会
- 1.2 21世紀枠は本当に弱いのか
- 1.3 選手はどう思っているのか
- 1.1 21世紀枠の過去の成績一覧
- 2 21世紀枠は必要かまとめ
21世紀枠は必要ない?選考基準は?
21世紀枠は2001年第73回大会からスタートしました。
選考基準は以下の通り。
21世紀枠はセンバツの招待大会としての特性を生かし、高校野球の模範的な姿を実践している学校を以下の基準に沿って選ぶ。
①秋季都道府県大会のベスト16以上(加盟校が129校以上の都道府県はベスト32以上)が対象
②以下の推薦例のいずれかに当てはまる学校。
▽少数部員、自然災害など困難な環境の克服
▽学業と部活動の両立
▽数年間にわたって試合成績が良好ながら、強豪校に惜敗するなどして甲子園出場機会に恵まれていない
▽創意工夫した練習で成果を上げている
▽部外を含めた活動が他の生徒や地域に好影響を与えている。引用元:毎日新聞
ご理解いただけますか?
要は出場できるかどうかは高野連のさじ加減。
それなりの成績とそれなりの理由があれば選ばれちゃうんです。
この曖昧な基準が毎年議論を呼ぶ一因でもあります。
21世紀枠の過去の成績一覧
21世紀枠は必要ないという声もよく聞かれますがやはり出場校の成績に原因があるのではないでしょうか。
過去の成績を振り返ります。
2001年 第73回大会
出場校 | 都道府県 大会 |
地区大会 | 選抜 |
---|---|---|---|
安積 (福島) |
ベスト8 | ー | 初戦敗退 |
宜野座 (沖縄) |
優勝 | ベスト8 | ベスト4 |
初の21世紀枠の採用となった第73回大会で宜野座高校(沖縄)がベスト4に大躍進。
宜野座旋風を巻き起こす。
2002年 第74回大会
出場校 | 都道府県 大会 |
地区大会 | 選抜 |
---|---|---|---|
鵡川 (北海道) |
ベスト8 | ー | 1勝 |
松江北 (島根) |
ベスト4 | ー | 初戦敗退 |
鵡川高校が三木(兵庫)相手に1勝を上げたが2回線で広島商業に惜敗。
2003年 第75回大会
出場校 | 都道府県 大会 |
地区大会 | 選抜 |
---|---|---|---|
柏崎 (新潟) |
ベスト4 | ー | 初戦敗退 |
隠岐 (島根) |
優勝 | 初戦敗退 | 初戦敗退 |
柏崎は斑鳩(奈良)に善戦するも隠岐は浦和学院に大敗。
2004年 第76回大会
出場校 | 都道府県 大会 |
地区大会 | 選抜 |
---|---|---|---|
一関一 (岩手) |
準優勝 | ベスト4 | 初戦敗退 |
八幡浜 (愛媛) |
準優勝 | ベスト4 | 初戦敗退 |
地区大会でベスト4の両校が初戦敗退という結果に。
2005年 第77回大会
出場校 | 都道府県 大会 |
地区大会 | 選抜 |
---|---|---|---|
一迫商 (宮城) |
準優勝 | ベスト8 | 1勝 |
高松 (香川) |
準優勝 | 初戦敗退 | 初戦敗退 |
一迫商が修徳(東京)を撃破するも天理(奈良)に大敗。
2006年 第78回大会
出場校 | 都道府県 大会 |
地区大会 | 選抜 |
---|---|---|---|
真岡工 (栃木) |
準優勝 | ベスト8 | 初戦敗退 |
金沢桜丘 (石川) |
優勝 | ベスト4 | 初戦敗退 |
真岡工はPL学園(大阪)に大敗。
金沢桜丘は愛知啓成に惜敗。
2007年 第79回大会
出場校 | 都道府県 大会 |
地区大会 | 選抜 |
---|---|---|---|
都留 (山梨) |
準優勝 | ベスト8 | 初戦敗退 |
都城泉ヶ丘 (宮崎) |
優勝 | ベスト8 | 1勝 |
都城泉ヶ丘は桐生第一(群馬)に勝利するも2回戦で優勝した大垣日大(岐阜)に惜敗。
2008年 第80回大会
出場校 | 都道府県 大会 |
地区大会 | 選抜 |
---|---|---|---|
安房 |
準優勝 | 初戦敗退 | 1勝 |
成章 (愛知) |
優勝 | ベスト4 | 1勝 |
華陵 (山口) |
ベスト4 | ー | 1勝 |
80回大会から21世紀枠が3校に。
3校共に初戦突破。
2009年 第81回大会
出場校 | 都道府県 大会 |
地区大会 | 選抜 |
---|---|---|---|
利府 |
優勝 | ベスト4 | ベスト4 |
彦根東 (滋賀) |
準優勝 | 初戦敗退 | 初戦敗退 |
大分上野丘 (大分) |
準優勝 | ベスト4 | 初戦敗退 |
利府がベスト4進出の大躍進。
21世紀枠としては宜野座高校と共に最高成績。
2010年 第82回大会
出場校 | 都道府県 大会 |
地区大会 | 選抜 |
---|---|---|---|
山形中央 |
準優勝 | ベスト8 | 初戦敗退 |
向陽 (滋賀) |
準優勝 | 初戦敗退 | 1勝 |
川島 (徳島) |
ベスト4 | ベスト8 | 初戦敗退 |
向陽が開星(島根)相手に1勝。
開星(島根)野々村監督による「21世紀枠に負けたのは末代までの恥」発言はこの時。
2011年 第83回大会
出場校 | 都道府県 大会 |
地区大会 | 選抜 |
---|---|---|---|
大館鳳鳴 |
優勝 | ベスト8 | 初戦敗退 |
城南 (徳島) |
優勝 | ベスト8 | 1勝 |
佐渡 (新潟) |
準優勝 | 初戦敗退 | 初戦敗退 |
東日本大震災の影響で開催が危ぶまれたが無事に開催される。
城南が名門報徳学園(兵庫)相手に1勝。
2012年 第84回大会
出場校 | 都道府県 大会 |
地区大会 | 選抜 |
---|---|---|---|
女満別 |
ベスト16 | ー | 初戦敗退 |
石巻工 (宮城) |
準優勝 | ベスト8 | 初戦敗退 |
洲本 (兵庫) |
ベスト4 | ー | 初戦敗退 |
3校が初戦敗退。
2013年 第85回大会
出場校 | 都道府県 大会 |
地区大会 | 選抜 |
---|---|---|---|
遠軽 |
ベスト4 | ー | 1勝 |
いわき海星 |
ベスト16 | ー | 初戦敗退 |
益田翔陽 (島根) |
優勝 | 初戦敗退 | 初戦敗退 |
土佐 (高知) |
ベスト4 | 初戦敗退 | 初戦敗退 |
5年ごとの記念大会と震災の復興特別枠が重なり21世紀枠も4校が選出。
遠軽がいわき海星との21世紀枠対決に勝利。
東北絆枠で地区大会ベスト4の酒田南(山形)ではなくベスト8の山形中央が選ばれたこと、
県大会ベスト16のいわき海星が選ばれたことでも選考に物議を醸した。
ちなみにいわき海星は福島ベスト16と言うとまだ聞こえはいいが実際は県大会で1勝しただけで選ばれてしまっている。
2014年 第86回大会
出場校 | 都道府県 大会 |
地区大会 | 選抜 |
---|---|---|---|
小山台 |
ベスト8 | ー | 初戦敗退 |
海南 (和歌山) |
準優勝 | 初戦敗退 | 初戦敗退 |
大島 (鹿児島) |
ベスト4 | ー | 初戦敗退 |
小山台と大島が大敗。
3校とも初戦敗退。
2015年 第87回大会
出場校 | 都道府県 大会 |
地区大会 | 選抜 |
---|---|---|---|
桐蔭 |
ベスト8 | ー | 初戦敗退 |
松山東 (愛媛) |
準優勝 | 初戦敗退 | 1勝 |
豊橋工業 (愛知) |
ベスト4 | 初戦敗退 | 初戦敗退 |
松山東が二松学舎大付(東京)に勝利。
桐蔭は県大会で1勝もしてないが選ばれた理由が高校野球初期の「古豪」だから。
2016年 第88回大会
出場校 | 都道府県 大会 |
地区大会 | 選抜 |
---|---|---|---|
小豆島 |
ベスト8 | ー | 初戦敗退 |
釜石 (岩手) |
準優勝 | 初戦敗退 | 1勝 |
長田 (兵庫) |
ベスト8 | ー | 初戦敗退 |
釜石が小豆島との21世紀枠対決に勝利も2回戦敗退。
2017年 第89回大会
出場校 | 都道府県 大会 |
地区大会 | 選抜 |
---|---|---|---|
多治見 |
優勝 | 初戦敗退 | 初戦敗退 |
中村 (高知) |
優勝 | ベスト8 | 初戦敗退 |
不来方 (岩手) |
準優勝 | 初戦敗退 | 初戦敗退 |
3校共に初戦敗退。
多治見、不来方が大敗している。
2018年 第90回大会
出場校 | 都道府県 大会 |
地区大会 | 選抜 |
---|---|---|---|
由利工 |
ベスト4 | ベスト8 | 初戦敗退 |
膳所 (滋賀) |
ベスト8 | ーー | 初戦敗退 |
伊万里 (佐賀) |
準優勝 | 初戦敗退 | 初戦敗退 |
2年連続で3校共に初戦敗退。
2019年 第91回大会
出場校 | 都道府県 大会 |
地区大会 | 選抜 |
---|---|---|---|
石岡一 |
ベスト4 | 初戦敗退 | 初戦敗退 |
富岡西 (徳島) |
ベスト4 | ベスト4 | 初戦敗退 |
熊本西 (熊本) |
準優勝 | ベスト8 | 初戦敗退 |
3年連続で3校共に初戦敗退。
21世紀枠は本当に弱いのか
21世紀枠で出場した51チーム中38チームが初戦敗退という結果に。
2勝以上したチームが2009年の利府(宮城)と2001年の宜野座(沖縄)のみ。
2010年以降の成績は5勝の内2勝が21世紀枠同士の対戦です。
しかし一概に弱いと言い切れないのは21世紀枠のくじ運の悪さ。
なぜか初戦で大阪桐蔭や智弁和歌山などの超強豪と対戦することが多い。
超強豪相手に大敗することでさらに「弱い」イメージがついてしまっているのではないか。
ただ個人的にはまとめてみると意外と県大会優勝、地区大会でベスト8などそれなりの結果を出しているチームが多かった印象です。
これもたまにぶっ飛んだ選出があるせいで地区大会で結果を残してないイメージになってしまっているのかもしれません。
選手はどう思っているのか
僕が選手の頃のチームメイト達のほとんどが
「なんで結果残してない奴らが出れるんだよ、意味わかんねー」
と思っていました。
自分たちの実力で出場を決めたんだからそう思って当然ですよね。
21世紀枠は必要かまとめ
21世紀枠が始まって今年(2020年)で20回目の大会。
そろそろ廃止を考えてもいい時期ではないでしょうか。
21世紀枠として出場する選手達が「必要ない」とか「どうせすぐ負ける」などと言われてるのも見たくありません。
ただ出場した選手を批判するのはお門違い。
みんな一生懸命プレーしていることに変わりはありません。
高野連にはみんなが納得できる選考をしてもらいたいですね。
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